紫外線とは

紫外線についてはすでにご存知の方も多いとは思いますが、ここで改めて紫外線についてご説明しましょう。

太陽光線には、波長の長いほうから赤外線、可視光線、紫外線があります。

虹は七色といいますが、この七色の光が、私たちが物の色を識別できる可視光線で、赤から橙、黄、緑、青、藍、紫までの色があります。

もちろん、それぞれの間にも中間色となるいろいろな色があります。

赤の外側にも目に見えない光線があり、赤外線と呼ばれています。

反対の紫の外側が紫外線です。

紫の外側の光線だから紫外線と呼ばれるのはとても理解しやすいと思います。

紫外線はさらに長波長紫外線(UVA)、中波長紫外線(UVB)、短波長紫外線(UVC)に分けられます。

波長が短くなればなるほど生物に有害な紫外線になります。

それぞれの紫外線が持つ性質から、UVAは老化光線、UVBは日焼け光線、UVCは殺菌光線とも呼ばれています。

このうち、UVBの一部とUVCは地球上空の成層圏にあるオゾン層によって吸収され、地表には到達していません。

年間の紫外線の変動として、UVAは冬に少なく、五月から八月に多くて、冬の約二倍の量が、UVBは、冬に比べて夏は約五倍の量が降り注いでいます。

紫外線は周りの建物や地面からの反射もあり、日傘の下や木陰だからといって安心できません。

また、太陽が見えないからといって紫外線がないわけではありません。

量りの日でも晴天時の半分の紫外線が降り注いでいます。

日焼けの危険

日本では、紫外線にわざわざ肌をさらして黒い肌色を作るガングロファッションが流行していた一方で、世界では紫外線に対する深刻な問題が発生していました。

1980年代初めに南極上空にあるオゾン層が減少して、穴が開いたような状態になるオゾンホールが発見されました。

オゾン層は、地球の成層圏に存在し、太陽光線に含まれる有害な紫外線を吸収して、地表に到達しないようにする働きがあることは前にも述べたとおりです。

この層がフロンガスによって壊されて穴が開いたものがオゾンホールです。

そのため人体に有害な紫外線が地表まで届いてしまい、皮膚癌の発生や白内障などが多くなる可能性があるということが、世界中で大きな問題になりました。

フロンガスは安定性が高く、安全、安価なことから冷蔵庫やクーラーなどの冷媒として、半導体の洗浄剤として、また、化粧品のスプレーなど、幅広く産業界で利用されていました。

しかし、安定性があることが災いして、放出されたフロンガスは分解されないまま成層圏に達し、そこで強い太陽光によって分解され、それがオゾン層を
壊す原因になってしまったのです。

オゾン層が一パーセント減少すると、紫外線が二パーセント増加し、皮膚癌が年間4~6パーセント増加するといわれています。

南極に発生するオゾンホールの影響を受けやすいオーストラリアでは、子供を紫外線から守ることに神経が遣われ、いち早く紫外線を防ぐ対策に取り組み、「サン・スマート」プログラムという運動が始められました。これは「スリップ・スロップ・スラップ」即ち、長袖のシャツを着よう!日焼け止めを塗ろう!首が隠れる帽子をかぶろう!という内容のものです。

さらにその後、「ラップ“サングラス”をかけて眼を保護しよう!」が加わり、具体的な行動スローガンを掲げて子供を紫外線から守る運動がなされています。

テレビなどで子供がサングラスをかけ、長袖を着て首筋まで隠れる帽子をかぶって外で遊んでいるシーンを見たことがあると思います。

日本では、皮膚科医や化粧品業界によって、紫外線の害に対する市民への啓蒙活動が進められましたが、日本人には皮膚癌が少ないこともあり、なかなか紫外線の害について浸透していきませんでした。

それでも徐々に紫外線の害が認識されるようになって、それまでの小麦色肌、ガングロの文化は急速にしぼんでいき、再び美白文化が到来してきたのです。

しかし、紫外線の害に対する認識は現在でも大きなばらつきがあり、例えば、小学校のプールでは日焼け防止化粧品を使ってよい学校といけない学校とに分かれています。

紫外線による害の意識が浸透するにはまだまだ時間がかかりそうです。